後立山南部(長野) 爺ヶ岳(2669.9m) 2020年7月24日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 0:54 柏原新道登山口−−3:25 種池山荘−−4:16 爺ヶ岳中峰 4:58−−5:10 爺ヶ岳南峰−−5:30 種池山荘 5:34−−6:46 柏原新道登山口

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2020年7月24日 日帰り
天候曇。稜線は強風
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口前に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し。ガレ沢の雪渓は残っていたが雪切されてアイゼン不要
山頂の展望大展望
GPSトラックログ
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コメント4連休の中で最もマシな予報だった金曜早朝に登頂。山頂はガスの可能性を覚悟していたが東側は予想外の展望の良さで、北アルプスから初めて飯豊が見えたのには驚いた。当然のように奥日光や尾瀬の山々も見えていた。東以外は雲が多く南アルプス等は見えず、針ノ木岳、立山、剱岳、槍ヶ岳等もずっと雲の中だった。先週より風が強く時々体がふらつくほど。でも先週同様に山頂から少し高度を下げると森林限界なのに急激に風が弱まった。4連休ということもあり先週より登山者は多かったが、私が下山したら雨が降り出したので、稜線はもっと早く雨が降り出しただろう


GPSの電池切れで出発直後からしばらくログが途切れている



登山口前駐車場を確保 深夜の登山指導所は当然ながら無人
扇沢駅。シャッター速度1/2秒でブレないのだから我ながら上出来 ガレ沢の残雪はまだ残っていた
種池山荘。今週も真っ暗 爺ヶ岳中峰山頂
爺ヶ岳中峰から見た南〜西〜北西の展望。今週も立山、剱岳は雲の中(クリックで拡大)
夜明け直前の東の空。雲海だが志賀高原は雲の上
爺ヶ岳中峰から見た中越地方の山々(クリックで拡大)
爺ヶ岳中峰から見た飯豊。北アルプスから飯豊が見えたのは初めて。これだけ鮮明だと視程は300km近くあったのではないか
爺ヶ岳中峰から見た利根川水源山脈
爺ヶ岳中峰から見た志賀高原とその奥の尾瀬、奥日光の山々
爺ヶ岳中峰から見た頚城山脈
爺ヶ岳中峰から見た南側の展望。東と違って低い雲が多い
爺ヶ岳中峰から見た燧ヶ岳 爺ヶ岳中峰から見た日光白根、錫ヶ岳
雲海から日の出。正確には越後駒ヶ岳付近から出てきた 吊るし雲の一種か? 立山付近で発生
蓮華岳付近に虹が見えた。雨が降っている証拠 雨の心配があり5時ちょっと前に下山開始
キキョウの蕾。イワギキョウかチシマギキョウのどちらか 花が散ったミヤマダイコンソウ
爺ヶ岳南峰 鞍部のコマクサ
葉の形状からおそらくクモマスミレ 爺ヶ岳南峰
爺ヶ岳南峰から見た南〜西〜北の展望(クリックで拡大)
爺ヶ岳南峰から見た東側の展望
気温は+7〜8℃。でも強風でずっと寒い! まだ秋じゃないがミヤマアキノキリンソウが咲いていた
冷池山荘 冷池山荘のテント場
ゴゼンタチバナ チングルマ。次々と散っては別の場所で開花中
アオノツガザクラ コイワカガミ
お花畑。徐々に花が顔を見せはじめている ミヤマキンポウゲ
種池山荘。今週は賑わっていた 柏原新道を下る
ハクサンフウロ ミヤマキンバイ
キバナノコマノツメ ツマトリソウ
サンカヨウの実 針ノ木岳、蓮華岳で雨が降り始めた
オオバミゾホオズキ ヨツバシオガマ
ガレ沢の残雪。雪切は先週よりしっかりしていた モミジカラマツ
オトギリソウ。まだ開花前 カラマツソウ
アザミ沢
アカモノ 標高1900m付近から見た種池山荘
扇沢 オオバギボウシ
ニッコウキスゲ ハクサンオミナエシ。今シーズン初
標高が低い所にもミヤマアキノキリンソウ アジサイ
クガイソウ 登山口付近のウツボグザ
対岸の駐車場。ほぼ満車か? 登山指導所。今週も人が入っていた
登山口前駐車場


・4連休2日目の金曜日。長野の天気予報は曇後雨だが雨の降り出しは午前の遅い時間帯からで、朝なら県西部の北アでも雨に降られない可能性が高い。明日、明後日の予報では広範囲に雨で、北アに登るチャンスは金曜しかなさそうなので出かけることにした。雨に降られなくても稜線はガスで視界が無い可能性は高いが、高山植物を見るためと思えばまあいいか。

・木曜夕方に柏原新道登山口に到着。登山口前の駐車場は2台分の空きあり。いくら4連休とはいえこの天気予報では入山者は少ないだろう。ましては今年はテント泊を含めて完全予約制で、特に小屋の定員は通常の半分以下なので日帰り以外では入山者が大幅に制限されている。

・今回も山頂で日の出を迎えるべく午前1時前に出発。雨は降っていないが星は見えず上空は曇っているようだ。まだ稜線が見える高さではないので、稜線が雲の上なのかは不明。昨晩の天気予報では今の時間はこの付近は雨のはずで、天気は期待していなかった。

・先週よりは下界の雲は少ないようで、今回は扇沢や大町市街地の夜景ががはっきりと見えた。

・時間経過とともに雲が薄くなってきたようで、時々星が見えるようになった。予想より天候がかなりいい方向ずれている。これだと期待していなかった山頂からの展望に期待していいかも。

・石畳を過ぎて水平道付近で麓が見えるようになると、登山者のライトの灯りが1つだけ見えていた。距離的に考えて1時間以上のビハインドがあり、山頂で追いつかれることはなさそうだ。

・ガレ沢の残雪は先週より減っていたがまだたっぷりと残っていた。ただし先週同様にしっかりと雪切されていてアイゼンは不要だった。

・森林限界を越えてお花畑の斜面を登り切れば種池山荘に到着。今週も明り一つなく真っ暗。小屋前も爺ヶ岳の登山道上も明りは皆無。通常の週末なら鹿島槍往復登山者の灯りが見えるのだが。まあ、天気予報が悪いので仕方ないか。

・小屋前から尾根南直下を巻いてから県境稜線に再び乗ると、針ノ木岳付近と餓鬼岳等の常念山脈北部にライトの灯りが見えた。残念ながら立山や剱岳方向は雲がかかっているようで稜線のシルエットが見えていない。

・緩やかな登りが始まって再び森林限界を迎える前に防寒装備を着こむ。まだそれほど風は強くないが無風ではなく、半袖半ズボンでは寒すぎだ。ネックウォーマーに毛糸の帽子、防寒用手袋、ウィンドブレーカで武装して再び歩き始める。

・まだ周囲は真っ暗で、冷池山荘とそのテント場付近にライトの光が見えたが、鹿島槍へと登っている途中の光は見えなかった。稜線のシルエットは見えていたので今週は鹿島槍はガスはかかっていないようだ。冷池山荘のある鞍部を通して見える光は白馬市街地だろうか。

・爺ヶ岳南峰へと高度を上げると先週同様に急激に西寄りの風が強まった。先週より風が強く、風のピークでは体がふらつくくらい。気温は先週より高そうだが体感温度は先週より若干高い程度でやっぱり寒い。まだ梅雨明け前でこの付近は梅雨前線の影響を受けて天候が不安定なのは仕方ない。

・風は強くても頭上は時々星が見えていて、基本は曇りだが薄曇りらしい。東の空は赤くなり始めていて、こちらは水平線付近は雲は無いようだ。日の出が見られるかもしれない。

・天候の都合もあり、往路の南峰は割愛して中峰を目指す。両者の鞍部付近は特に風が強く寒い! まだ周囲はLEDライトが必要な明るさだがもう真っ暗ではなく徐々に明るくなってきていた。

・縦走路を離れて爺ヶ岳中峰へ。先週よりも風が強いが鹿島槍に雲はかかっていない。東の空は一面の雲海だが、雲の隙間から大町市街地の灯りが見えていた。また、雲の高さは先週より低く、飯縄山は雲の下だが黒姫山や頸城山塊、志賀高原の山々〜浅間山にかけては雲海の上だった。そして赤く染まった東の地平線には久しぶりに越後三山をはじめとする中越の山々が連なっていた。そして尾瀬の燧ヶ岳や至仏山、奥日光の日光白根と錫ヶ岳も見えていた。残念ながら佐渡方面は海の上に雲が出ていて見えていないが、南会津の村杉半島の山々まで見えているので視界は非常に素晴らしい部類だ。そして極めつけは黒姫山と高妻山の間に見えている山脈。現場ではどこの山なのか分らなかったが、この方向で高い山と言えば飯豊くらいしか思い浮かばなかった。ただし、過去に後立山から飯豊が見えたことは一度もないし、飯豊が2000m前後の山とは言っても黒姫山付近の稜線より頭を出しているとは思えなかったのだった。帰宅後にカシミールで確認すると本当に飯豊で驚いた。今後再びこの光景を見ることができるだろうか。

・南側の常念山脈は常念岳は見えていたが大天井岳は雲の中。槍も雲の中。そして安曇野方面は霧のような白い靄がかかっており雨が降っているようだ。雲の下の蓮華岳の左肩には虹が登場。あそこも雨か。針ノ木岳や立山、剱岳はずっと雲の中で、立山付近では怪しげな吊るし雲が出ていた。これは天候が悪くなる予兆で天気予報通り。

・休憩中に単独の男性が上がってきた。聞くと私と同じく長野市内で日帰りで登ってきたとのこと。おそらく真っ暗闇の中で見えたライトの光の主だと思うが、そうなると1時間以上のビハインドを20分程度まで詰めたことになるから、登山口から中峰まで3時間を切るくらいのペースで上がってきたことになる。歩くのも早かったが山頂から去るのも早かった。

・雨の可能性が予報より早まったので、軽い朝飯を食って下山開始。しばらくは強風帯を歩くので山頂で着込んだ防寒具は着たまま。稜線の高山植物は強風にあおられて写真を撮ってもブレまくり。もっと日が高くなってシャッター速度が上がればブレなくなるのかもしれないが、早朝の時間ではまだ明るさが不足している。

・帰りは南峰に立ち寄る。今回もトレラン装備の人が上がってきて、これから天気が下り坂だというのに鹿島槍へと向かっていった。トレランは雨でも関係ないのか? 種池山荘に到着する間では数名の登山者とすれ違った。種池山荘前では数人の登山者がいたが、これから登るのか下るのかは不明。でも天候を考えれば下りかな。

・帰りは明るくなったのでライチョウを探しながら歩いたが今回も発見できず。もっと天気が悪くなって稜線にガスがかかったタイミングの方が出現確率は高いのだろう。私の経験上、種池山荘から爺ヶ岳南峰間はライチョウに出会える確率は北アの中でもかなり高い部類である。

・高山植物は先週と大きな変化は無し。チングルマは先週咲いていた場所はもう散ってしまったが、別の場所で次々と開花中。長く楽しめそうだ。種池山荘東側のお花畑はまだ花は少ないが先週より確実に開花が進んでいる。先週はショウジョウバカマだけだったが、今回はチングルマの白い花が見えた。小屋前ではハクサンフウロが開花し始めていた。

・往路と同じく県境稜線では山頂から僅かに下ると風がぐっと弱くなり、種池山荘付近ではほぼ無風となり防寒着のまま歩いたのでは暑いので道端で着替え。下りは雨との競争になりそうなので半袖半ズボンで丁度いいだろう。針ノ木雪渓付近も白い靄がかかったような状態で、既に雨が降り出したようだ。

・柏原新道を下るとすれ違った登りの登山者は10人弱といったところ。明らかに幕営装備の若者がいたが、風雨を覚悟の上だろうか。私にはもうそんな精神的な強さは無い。北アルプスは私にとっては地元の山であり、気合を入れて登る山ではなくなってしまった。

・登山口に到着すると僅かに雨が降っていた。これまで樹林帯を下ってきたので、少しの雨では気付かなかっただけかもしれない。まだ雨具が必要な強さではないが、昨夜の天気予報だとお昼くらいから本降りとなり、明日明後日と降り続く予想になっていた。これから登り始めても稜線や山頂での展望は望み薄だろう。それでもこれから上がり始める登山者の姿が少なからずあった。4連休だから通常の週末では出かけるには遠すぎる地域の人達だろう。ご苦労様。

・着替えを済ませて大町へと車で下って行くと、扇沢よりも雨の降りが強かった。山頂で見た雨域が北上して大町まで達しているようだ。しかし東へ進むと徐々に雨が止んできて、まだ雨は長野中部〜西部だけらしい。でも長野市内でも午後からは雨が降り出した。

 

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